Freeplane 1.2.x の紹介(3)'表現力の強化:FP 1.1.x との比較
XMind や iMindMap、MindManager、NovaMind などに比べて見栄えがよくないことが、FreeMind や Freeplane の弱点といわれてきました。しかし、先β版が公表された FP 1.2.x では、表現力が大幅に強化されています。この点を、現行安定版である FP 1.1.3 と比較してみました。
FP 1.2.x のほうが、豊富な内容をずいぶんコンパクトに収納しているように見えます。
これらの図を比べながら、FP 1.2.x におけるマップ表現力の改善点を整理してみました。
1.ノードの配置
・フリーノード機能
FP1.2.x では、「フィルタ」「文章化」のノードが「やりましょう」「文章化」の横に表示されていますが、FP 1.1.3 では上下位置的に重なりませんでした。これは、FP 1.1.3 では、「常に」ノードの位置調整機能が作動しているからです。これに対して、FP 1.2.x では、「通常は」位置調整機能がオンになっていますが、特定ノードについて、この0機能をオフにして自由にノードの表示位置を指定できるようになりました。おかげで、限られたマップのスペースにたくさんのノードを表示できるようになりました。
また、エッジの「線を隠す」機能と組み合わせれば、他のノードから全く独立した「フローティングノード」もどきを作成することもできます。
・まとめノード
FP 1.2.x のマップ、「やりましょう」と「自分流で」の右側を見ると、「自分が」〜「やり方で」を括る波括弧が見られます。このように、上位ノードの構成要素を下位階層で再度集約するノードのことです。
2.ノードの表現力
・「拡張情報」機能
「プログラム」「プロジェクト」等のノードの左下に「▽」印がつき、また、「説明」のノードの下には「△」印が現れ、文字列による説明が付されています。これらは、「詳細」テキストと呼ばれるもので、従来からあるノードの表示部分(「コア」)の内容を説明する文章を収めることができます。ノードの補足説明としては、これまでも画面の下部などに表示される「ノート」がありましたが、FP 1.2.x では、クリック1つで表示・非表示を切り替えられる「詳細」テキストが加わりました。「▽」印は、非表示中の拡張情報があることを示し、これをクリックすると表示に切り替わります。
・アイコンの表示位置
FP 1.1.3 では、ルートノードよりも右側にあるノードのアイコンはノードテキストの左側、左側のノードではノードテキストの右側にというふうに、ノードのルートノード寄りに表示されていましたが、FP 1.2.x では、すべてノードテキストの左側に表示されるようになりました。横書きの文章は基本的に左側から読みますから、アイコン表示も左側に統一したほうが、見やすくなりますね。
3.コネクタ関係
・コネクタの形状・線種
「プログラム」〜「合議」のコネクタを見ると、破線の角付き直線で表示されています。これまでは、「実線」の「曲線」しか使えませんでしたが、FP 1.2.x では、破線や一点鎖線といった線種指定が可能となり、形状も「直線(角付き)」「直線(直結)」などを利用できるようになりました。
・コネクタの線の透過性調節機能
これまでのコネクタは、すべて透過性ゼロの線・矢印で表示されていましたが、FP 1.2.x では透過性を高めたりなくしたりすることができます。「ブレーンストーミング」〜「フィルタ」等のコネクタが薄めのグレーとなっているのは、この機能を使っているからです。
・始点ノード=終点ノードのコネクタ作成機能
「分析」や「整理」、「スタイル」から、直線や矢印が出ています。これは、それぞれのノードを始点・終点とするコネクタです。この機能を使うと、ノードと別のコネクタの線を結びつけたり、コネクタの末端に説明を加えることで吹き出しノードの代用として使ったりすることができます。
・コネクタラベルのフォント、文字サイズ指定機能
FP 1.1.3 と FP 1.2.x を比べると、後者の文字サイズが大きくなり、また「考えよう」と「共有しよう」とで字体が異なっています。
・コネクタラベルの表示の改善
FP 1.1.3 では、コネクタの線とラベルの文字列が重複表示されて見苦しくなっていますが、FP 1.2.x では、ラベル部分の線が非表示にされ、ラベルが読みやすくなりました。
4.雲
・雲の形状
「会議」「入門」」「応用」のノードを囲む雲が、1.1.3 では「モクモク」といった感じですが、1.2.x では「丸角矩形」となっています。元からの「モクモク」はもとより、「トゲトゲ」なども使えます。
5.リンク
・下線表示型リンク
これは、表現力強化というよりも、ノードの機能性強化に当たりますが、ハイパーリンク機能に、従来からあった矢印表示型リンク(例えば「新規マップ作成の実演」の矢印)に加えて、ノードの「コアテキスト」や「詳細」、「ノート」のテキスト部分に下線表示型のハイパーリンクを内蔵させられるようになりました。この機能を使うと、1つのノードからいくらでもリンクを張ることができます。