2年近くも放置、ごめんなさいm(_'_)m

前回の記述を見ると、2012-09-16となっています。実に1年11ヶ月、放置しておりました。少数とはいえ、Freeplane 情報を求めて読んでくださっていた方がいたのに、更新を中止しておりましたこと、申し訳ございません。

この間に、FPのバージョンが1.2から1.3にあがりました。
2014年6月には、(組織票のおかげですが)FPが Community Choice SourceForge project of the Month for June 2014 を獲得、利用者採点では5点満点中4.9点を達成、世界全体で週平均 3,500 件前後DLされるようになりました。

1.2の新機能を紹介する途上で挫折してしまった上に、新バージョンが出てしまい、もう、何が新しいかなど、比較紹介するのは無理です。とはいえ、Freeplane は着実に進化を遂げ、ますます使いやすくなっています。

肩肘をはらず気に入っている機能など、ぼちぼち紹介できればと思います。

Freeplane 1.2 の特徴(4):線(エッジ)

今回は、同一系列のノード間の関係を示す線(エッジ)についてです。
マインドマップの作成において、エッジは基本中の基本なので、Freeplane の前身であるFreeMind 0.8 でも基本機能は十分備えていましたが、Freeplane では、Ver. 1.1 で、表現力が強化され、1.2 では使い勝手が向上しました。

1.いろいろな線
 XMind と比べた FreeMind の弱点として、見栄え、特にエッジの形がカッコよくないことが指摘されてきましたが、Freeplane では様々な形の線(エッジ)が使えるようになりました。FreeMind でも装備されていた ベジェ曲線」、「先細ベジェ曲線」(鋭いベジェ)、「直線」、「先細直線」(鋭い直線)に加えて、「直角曲がり」も使えます。「直線」のエッジと「囲み」のノードスタイルを用いれば、XMind と大差ない図が描けるようになります(ノードの背景色のグラデーションはできませんが)。
 また、「線を隠す」こともできます。この機能を使えば、事実上の「フローティング・ノード」を描くことができます。「フリーポジション・ノード」機能を組み合わせれば、マルチ・ルート・マップ(?)紛いを作ることもできます。

2.線の色を自動選択
 メイン・ノード(メイン・ブランチごとに線の色を変えると、奇麗なマップができますが、これまで FreeMind や Freeplane では、手動で線の色を指定しなければなりませんでした。FP 1.2 では、メイン・ノード作成時に、自動的に色を指定するオプションが使えるようになりました。微妙な配色に悩む必要がなくなり、大変便利です。

Freeplane 1.2 の特徴(3):コネクタ、雲、そしてまとめノード

マインドマップは、ノードに書かれたキーワードの関係を、視覚的に分かりやすく表示することができます。そのための基本ツールは、同一系列のノードの階層関係を示すエッジといわれる線、及び異なる系列のノード間の関係を示すコネクタといわれる矢印(線)です。また、多くのマッピング・アプリで「雲」といわれるグルーピングも用いられてきました。Freeplane でも当初から、これらの機能が装備されていましたが、Freeplane 1.2 では、様々な機能アップが図られています。また、この度は新たに「まとめノード」という新兵器が登場しました。

エッジ(線)に関する改良は次回取り上げることとし、今回は、コネクタの機能強化、及びまとめノードについて説明します。


1.コネクタの表現力強化
b.コネクタの線の種類や太さ、形状を変えられるようになりました。
 実線のほかに点線一点鎖線などが使えるようになりました。また、線の形状は、これまでの曲線に加え、直線(直結型と角付き)が導入されました。これに線の色や太さのバラエティを加えれば、連結するノード間の関係が分かりやすく表示できます。

b.コネクタとノードやエッジ(線)とが重複する場合の表示機能が改善されました。
 従来、コネクタがノード等と交わる場合、コネクタが背後に置かれ、非表示にされていましたが、1.2 では、「環境設定」でノード等とコネクタとのどちらを前面表示するか選択できるようになり、あわせてコネクタを透過表示できるようになりました。透過表示を使えば、ノード等の情報とコネクタの両方を表示しても識別でき、グッと見栄えがよくなります。

2.片道コネクタ機能
 片道コネクタは、コネクタの出発点と行き先を同一ノードに指定することにより、ノードから突き出た直線(矢印)を付すものです。コネクタのラベルを使えば、簡単な吹き出し」まがいに使えます。片道ノードの先に線(エッジ)を消したノードを置きここに注釈を書くこともできます。

3.雲の表現力アップ
 これまで、FreeMind や Freeplane のノード群の囲み表現機能は、文字どおりの「雲」の形をしていました。1.2 では、これまでの雲の形(「モクモク」)に加えて、「トゲトゲ」、「矩形」、「丸角矩形」が使えるようになりました。モクモクはサツマイモみたいで愛嬌があるのですが、すっきりした形という意味で、私は矩形系統の方が好みです。

4.まとめノード
 ものごとを考えるツールとしてのマインドマップは、ルートノードからメインノードへ、そしてサブノードへと枝分かれする形で、発想を広げていきます。しかし、ある程度アイデアが出たら、これらをコンパクトに要約したりまとめたりしたくなることがあります。そんな時、収束の道具として、まとめノードが役に立ちます。
 この機能、XMindに以前からあって是非ほしいと思っていたので、私にとってFP 1.2 の最大の改良の1つです。

Freeplane 1.2 の特徴(2):ノード拡張情報とノート

Freeplane 1.1 から 1.2 へのバージョンアップでの大きな変化の1つが、ノードコアの下方に表示される「ノード拡張情報」です。

1.「ノードの詳細」欄を新設

「ノードの詳細」は、「ノードコア」の内容を詳しく説明する場所です。「ノードコア」を見出しに見立て、ここに実質的な叙述を納めると良いでしょう。
「ノードの詳細」など拡張情報部分は、非表示にできるので、「ノードコア」だけを表示させれば、マインドマップ型のアウトラインエディタとして利用することができます

また、「ノードコア」と同様に、下線表示型のインラインハイパーリンクを文中に埋め込むことができるので、きめ細かく配慮の行き届いたハイパーテキストを作成することができます。

2.「属性」機能、「科学算式」(LaTex)機能、サイズ変更可能な画像
「属性」は「属性名」=「属性値」形式の定型的な情報収納エリアです。
「ノードコア」に表示される画像は大きさを変えられませんが、「拡大情報」に含まれる「画像」は、右下をドラッグすることで、表示サイズを変えられます。

3.「ノート」機能
「ノート」は、「ノードの詳細」とは別に、ノードの内容(ノードコアや詳細)に関する補足事項をメモしておくスペースです。「ノート」は標準設定では表示されないようになっており、代わりにノードコアの冒頭に「ノート付きアイコン」が表示されています。
「ノート」の内容を見るには、「ノードの拡張情報」の下側に表示させたり、画面の左右上下左右に固定パネル表示させたりといった方法もありますが、次に説明する「ツールチップ」表示を利用すると便利です。
なお、前述の下線表示型リンク機能は、「ノート」の文中でも利用できます。

4.「ツールチップ」表示機能
ツールチップとは、ノードにマウスカーソルを合わせてしばらく置く(これを「ホバーリング」といいます)と、そのノードに収められた文字情報(「ノードの詳細」、「属性」や「ノート」)で非表示になっているものが、グレーのウィンドウに表示される機能です。
一々特別な操作をしなくても非表示情報が手軽に閲覧できるので、大変便利です。

Freeplane 1.2 の特徴(1):ノードコアの機能

Freeplane 1.2、新機能の追加や改良が盛りだくさんで、何から紹介したらよいのか、本当に戸惑うばかりですが、FreeplaneFunctions(_Ja).mm なる機能一覧マップが付されているので、これを手がかりに整理してみたいと思います。

今回と次回は、マインドマップの情報収納場所であるノードについてです。

FP1.2 では、ノードの機能が大幅に強化されました。ひとつは、マインドマッピング・アプリなら必ずあるノード本体の機能強化です。今ひとつは、FP1.2 独自に付されたノードの下方に追加情報を添付する機能です。FP1.2では、前者を「ノードコア」と呼び、後者を「ノード拡張情報」と言います。今回は、「ノードコア」について説明します。

1.ハイパーリンク機能の強化
Freeplane 1.2 では、ノードコアのテキストの一部をクリックすることでリンク先にジャンプできる「下線表示型リンク」機能が追加されました(上の図参照)。
FPは、これまでも各ノードから同一マップ内の別ノード向けや別ファイル(のノード)向けにジャンプできるハイパーリンク機能を備えていましたが、これらのリンクは各ノードに1つしか付すことができませんでした。下線表示型リンクは、文章の説明箇所からダイレクトにリンクを利用できるのみならず、単一のノードからいくつもリンクを張ることができます

2.進捗度表示機能
作業管理に便利なの進捗度表示機能が、ノードに付きました。
これは、ノードに作業の進捗度を示す円グラフが表示され、ワンタッチで進捗度表示を上げたり下げたりできるというものです。上の図は、ノードコアにアイコン表示されるタイプを示しています。この形式の場合、進捗具合は25%刻みで表示されますが、ノード拡張情報にもっと大きな10%刻みの円グラフを表示させることもできます。

3.ノードへの番号振り付け機能
これは、指定したノードに自動的に連番を振る機能です。「1、2、3、、、、」といった形式はもとより、「1.1、1.2、1.3、、、」といった形も可能です。途中のノードを削除したり、挿入、入れ替えをしても、ちゃんと順番が修復されるので、文章の構成を練るときなど重宝しそうです。

4.ノード表示幅の指定機能
これまで、ノードの最大幅を指定することはできましたが、今度の改訂で、最小幅もノードごとに指定できるようになりました。同一階層のノードの幅を統一することで、階層関係をすっきり表示できます。例えば、こんな具合です。

Freeplane バージョンアップの概要:とっても紹介しきれない!!

 Freeplane 1.2 の特徴を紹介したいのですが、新規導入機能や改良点があまりにも多くて、何から掲げるべきか、、、、、仕方が無いので、とりあえず、開発チームの Home page に記された基本機能を列挙してみましょう。

ポストイット機能:独立のフリーポジションノードに思いつくキーワードをどんどん打ち込んで、後でドラッグ&ドロップして整理。

ツリー整理機能:上位・下位の階層構造を作り、エッジ(線)で連結。

情報の視覚的整理機能:ノードの形や色、フォント、アイコンといったスタイルを階層別、属性情報に応じて自動適用。エッジ(線)の色の自動選択機能も加わりました。

情報のグループ化機能:ノード群を囲む「雲」の機能強化に加えて、同一階層ノード群を受け括弧で括る「まとめノード」を利用できるようになりました。

親ノードの異なるノード間の関係を視覚的に表現:コネクタの線の形状や線種が増え、ラベルの表現力も向上しました。

ノードの情報収納・表示機能の大幅拡充:ノードに、テキストはもとより、科学式、算式、アイコン、画像、ハイパーリンクまで、多様な情報を収納できるようになりました。表示エリアが、ノードコア、ノードの拡張情報、ノート、属性、画像、ツールチップへと様々に広がる一方、ノードの短縮表示オプション等により、コンパクトに折り畳むことができます。

コンテンツ表示のコンパクト化:枝を折り畳む、フィルタ表示、詳細を隠す、ノードを短縮表示)、検索、スクロール、ナビゲーションなど、様々な非表示手段ができ、TPOに応じて使い分けることができます。

タスク管理機能の大幅改善:カレンダーとリマインダを用いて簡単にタスク管理できます。

情報保護機能:DES暗号方式を用いたマップ全体、あるいは個別ノードのパスワード保護が可能です。

多様な機能とフレキシブルなカスタマイズで使い勝手が大幅に向上:インラインエディタとダイアログエディタ、オブジェクト指向のメインメニューとコンテキストメニュー、多言語サポート、スペルチェッカー、プロパティパネル、ドラッグ&ドロップ機能、ホットキー、バッチ実行、公表とシェア、自由な環境設定など。

⑪アドオンや手作りスクリプトを用いて簡単に機能拡張

⑫Docear 学術研究サポート機能セットとの統合

⑬初心者にも上級利用者にも優しいサポートとマニュアル:今回の「売り」は、ユーザの練達度に応じてきめ細かく説明した「チュートリアルが付いたことです。

Freeplane 1.2:インストールが終わったら、、、

Freeplane 1.2、ver.1.1 に比べて、大きく進化しています。変化の中身は、追い追いチェックすることにして、まずは、触ってみましょう

ということで、インストールが終わったら、新たに導入されたチュートリアル」を覗いてみましょう。FP1.2の使い方が、基礎の基礎から上級テクニックまで、丁寧に解説されています。

チュートリアル」の表示は、メインメニュー「ヘルプ > チュートリアル」からです。

すると、こんなマップが表示されます。日本語化されています。

「1.はじめに」と「14.Freeplane 利用のコツ」に眼を通しておくことをお勧めします。「1.はじめに」にフォーカスを移動し、画面右上(中央寄り?)の下のアイコンをクリックすると、「1.はじめに」に属する下位ノードがすべて展開表示されます

基本事項には、画像も使われていて、理解しやすい仕上がりとなっています。